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玄関や室内ドア、窓など建具(開口部)と防犯のつながり
通常、住宅は部屋と部屋、室内と屋外を壁で仕切っており、陽光を取り入れたり、換気をしたり、人が出入りするために開口部が設けられています。具体的には、玄関ドア、室内ドア、窓などが挙げられ、開口部に取り付けられている「開口部を閉じる住宅建材」を「建具」と呼びます。建具は住宅建材の中でも重要な部品のひとつで、使用頻度が高くメンテナンスも欠かせません。今回はそんな建具についてフォーカスしてみましょう。
一般的に建具と呼ばれるもののうち、人の出入りに使用されるものを「戸」、採光や通風を目的としたものを「窓」と分類することができます。
さらに建具は、屋内と屋外をつなぐ外部用と、部屋と部屋をつなぐ内部用に分けることもできます。玄関ドアや窓など外壁面に設置するものが外部建具、襖や間仕切りなど室内を仕切るために設けられるものが内部建具です。
住宅でとくに重要なのは、屋内と屋外とつなぐ外部建具です。外部建具は玄関ドアや窓になりますが、屋内と屋外の間に外部建具がないと住人が出入りできません(窓は出入りを目的としたものではありませんが)。
一方、開口部だけで外部建具がなかったら、その開口部は空きっぱなしで、冬は寒いし夏は暑く、空き巣や侵入窃盗犯といった住人以外の人間が侵入してくるリスクが発生します。そこで外部建具をはめることで、開口部からの出入りを制限できるようにします。地域によっては軒から出入りができ、ドアも窓も開けっぱなしという解放感のある、平和な暮らしもありますが、一般的には、想定外の人間の出入りを阻むために建具があり、外部建具の目的が防犯のためであるのは疑いようがありません。建具が住宅建材でも重要な部品と言われる理由がこれです。すなわち屋内と屋外をつなぐ開口部にはめられた外部建具のほぼすべてに鍵がついているといっても過言ではありません。
部屋と部屋をつなぐ開口部にも建具は使われます。こちらに鍵が付いてないことが多いのは、侵入者を遮断することが目的ではないからです。
建具にはつくりや素材でいくつかの種類がありますが、外部建具か内部建具かによっても異なります。玄関ドアが折れ戸になっていることはほとんどありませんし、素材が襖や障子であることもありません。ここでは、そういった目的とは別に種類を紹介します。
建具を分類するうえで最も大きな要素となるのが開き方で、それにより大まかに種類を分けられます。開き戸(ドア)、引き戸、折れ戸などそれぞれの特徴を見てみましょう。
開き戸は、戸を開けるための空間こそ必要になりますが、楽に開け閉めができ、気密性が高く空調の効果を得やすい特徴があります。外部建具の玄関ドア、屋内の個室をつくるための部屋のドア、トイレのドアなどによく使われますし、施工するうえでも、取り付けが容易というメリットがあります。
不具合の例:
・開け閉めがしづらい、閉まる速度が速い/遅い
・開け閉めのときに音が鳴る
・鍵が差し込みづらい、回しづらい
・ドアノブ・ハンドルなどが取れた・壊れた、など。
引き戸は、隙間の幅を調整して風や光の入る量をコントロールすることが可能です。戸を収納するスペースをつくる必要がありますが、開き戸のようなデッドスペースがなく、人が通るスペースを確保できます。襖や障子のほか、最近では下にレールのない上吊り式の引き戸もあり、バリアフリーの観点から評価されることも少なくありません。ただ、レールや溝、戸車などの状態が悪くなると、滑りが悪くなる、定期的に掃除やメンテンスを行いましょう。
不具合の例:
・レールや溝にゴミが溜まり開け閉めがしづらい
・しっかり閉まらず開けっ放しになる
・開け閉めのときに音が鳴る
・鍵が差し込みづらい・回しづらい、など。
折れ戸とは、折りたたんで開閉するタイプの建具で、クローゼットなどによく見られる扉です。折りたためるため省スペースで、物が取り出しやすい反面、開口部が狭くなってしまう場合もあります。かつては子どもが指を挟んでケガをする事故が起こるなどしたため、最近の折れ戸はクッションがついていて安全性の向上を図っています。こちらもレールや溝の状態が悪くなると、滑りが悪くなる、定期的に掃除やメンテナンスを行いましょう。
不具合の例:
・レールや溝にゴミが溜まり開け閉めがしづらい
・開け閉めのときに音が鳴る
・ハンドルなどが取れた・壊れた、など。
窓は一般的に、2枚以上の窓を横滑りさせて開閉するタイプの「引き違い窓」や、窓を室外側に滑らせて開けるタイプの「すべり出し窓」、窓枠の左右どちらかを軸に開閉する「片開き窓」、2枚の窓が観音扉のように開閉する「両開き扉」など種類が豊富でそれぞれメリットがあります。
不具合に関してもそれぞれ特徴がありますが、代表的な例としては、レールの滑りが悪くなり開閉しづらい、窓枠やクレセントなどの部品が破損、窓ガラスにひびが入っている、開け閉めのときに音が鳴るなどが挙げられます。
ほかにも建具は素材で分類することもあります。防犯性を重視する玄関ドアにはアルミなどの金属や木材、気密性を評価する窓にはガラス、引き戸のデメリットを緩和するため軽さを考えて紙を使用した襖や障子など、目的や場所によってそれぞれ使用する素材が変わります。
以上のように建具、とくに外部建具は防犯との結びつきが深く、種類や素材を選ぶには専門的な知識が必要になることも少なくありません。またそこには鍵という存在が欠かせなく、そういう理由からも鍵の専門家の扱う分野のひとつともいえるのです。
建具の不調や不安、故障などさまざまなトラブルが発生した際は、鍵と防犯のプロである専門店に相談してみることをおすすめします。